灰色のカナリア 6/11

現時点での感想です。がっつりネタバレです。あくまでもいち個人の感想と見解ですのでご了承くださいませ。
これから見に行かれる予定の方はネタバレなしでご覧になった方が楽しめると思います。絶対に!!ww


藤井>
失踪した大人気バンド「メデューサ」のヴォーカル・カナを追いかけているゴシップ紙のライター。元バンドマン。カナと親しくなり飲みに行った店で酔いつぶれカナの部屋に泊まってしまう。カナの部屋を調べているうちにカナがやはりカナであることを確信。またカナが現在も詞を書いており、その詞は彼女の知らないところでシマちゃんによって藤井の友人のバンドの曲になっていた。その詞に曲を付けたのが藤井。それを知ったシマちゃんは藤井とカナの出会いに運命を感じている。藤井もカナに好意を抱くようになる。
突然、死んだはずのリュウが現れ、リュウとは似ても似つかない別人をリュウだと信じ切っているカナを心配し、カナに現実を受け入れて貰おうとあれこれ手を尽くす。

カナ>
藤井が潜入している量販店の同僚。実は5年前大人気だったメデューサと言うバンドのボーカルをしていた。突然歌が聴こえなくなる難病におかされ、その病気を誰にも言えずに失踪する。失踪中に恋人のリュウが暴漢に襲われて死亡。リュウが死んだことが信じられず、二人で暮らした部屋を再び借りて二人で生活していた頃そのままに部屋を再現している。藤井に好意を抱きつつもリュウが突然現れたことにより死んだはずのリュウに再び心を奪われてしまう。
が、リュウリュウではなくリュウの魂が別の人間に乗り移ってやってきただけだった。リュウが消えてしまい再び失意のどん底に落ちるカナ。そのカナに藤井が弾き語りで歌を聞かせ、ただ泣いていたカナはじょじょに藤井を見始める。藤井の歌声は聴こえるはずないのにじっと藤井を見つめるカナ。

リュウ
突然現れたピザ屋の店員。自分はメデューサのベーシスト・リュウだと言うが容姿は全く違う。藤井に「リュウさんはこの人です。今のあなたの顔はこれ」とリュウの写真と鏡を渡され自分が死んでしまい魂だけが他人に乗り移ってカナの部屋に来てしまったことに気づく。最後にもう一度カナの歌が聞きたいと願うが、藤井によってカナの病気のことも聞かされる。カナに「オレはここにはいられない」と打ち明け、「ひとりは子どもを産め」と言って消えてしまう。

シマちゃん>
カナが住むマンションの真上の階に住むカナの友人。実はメデューサのドラムだった。失踪したはずのカナが5年前突然現れ、心配で上の階の部屋を借りて見守っている。酔っぱらった藤井がカナに言った何かで藤井を信頼しカナを任せようとする。カナを立ち直らせるには藤井しかいないと思っている様子。

桜子>
藤井の上司。音楽雑誌を担当していた関係でメデューサデビュー前にリュウと知り合い、既にリュウがカナと同棲をしていたことは知っていたが深い関係になる。カナが失踪後、自暴自棄になったリュウをどうすることも出来ずリュウは死んでしまう。その後、ゴシップ紙に配属願いを出して公私混合で失踪したカナを追いかけていた。現れたリュウが愛していたのはやはりカナと知り「自分なりに納得できたわ。もちろんネタにはしない」と言って部屋を去って行く。

電気屋
TVの修理に来たと言う名目で現れるが実はヤクザ。女に溺れ組のヤクをくすねてその罪をリュウに被せ、リュウを殺害。が、愛した女はヤク漬けで死亡。すべてを失ってしまったあと、自分が殺した男にも女がいたことを思い出しその女を探す。やっと見つけ、自分が殺したいきさつを話しカナに謝罪。「自主します」と言って部屋を出て行く。


時系列を無視して登場人物の背景とストーリーを合わせてを書いてみました。

ざっくり言うと世にも奇妙な物語のラブストーリー版のようなお話しで、全体的には悲恋の切ない話しなんだけど、ちょいちょい入れてあるコメディタッチとミュージカル風な演出のおかげで面白ろ楽しい舞台になっていました。
主演はますだなので藤井が物語の中心人物と思っていたけど、実はこの物語の中心人物はカナです。カナを中心に交差する人間関係と恋愛模様。そしてその関係性がもの凄くこゆい。カナは死んだはずの恋人との思い出を再現するような情の深い女だし、そのカナを求めて他人に乗り移ってまで現れる死んだリュウの魂。そのリュウとカナを公私混同で5年も追いかけていたリュウの浮気相手・桜子。女に貢ぐためにリュウを殺し、そのリュウの恋人を探しているヤクザ。カナを心配して同じマンションに住む元メンバーで友人のシマちゃん。全員もの凄くこゆいんですよ。こゆくカナと関わっているんですね。その中で藤井だけぼやーんとしていると言うかハッキリ言えば存在感が薄い。舞台開始時に出てくるメンツの中ではダントツに出演時間は長いのだけど、始まって30分後ぐらいに登場するリュウの存在感が強烈過ぎてリュウが登場してやっと物語が流れ始める感じがしました。
恋愛模様に関しても、カナとリュウの関係はすごく丁寧に説明もするしそう言う場面も多いのだけど、この先の未来は藤井とカナが築くはずなのにその関係は大雑把にしか表現されておらず、カナと飲んでいた際に藤井がカナに何を言ったのか?藤井に言われた言葉でカナは「天変地異くらいの衝撃だった」と言うようなセリフがあるがあるのだけど、それも何だったかわからないまま。シマちゃんが藤井を信頼した理由もイマイチ分かりづらかったです。
そんな存在感の薄い藤井くんの一番の見せ場が歌でした。ミュージカル風に歌いながら「リュウさんは死んだんだよ」とカナが聴こえない「歌」で自分の想いを伝えカナを救おうとする藤井。彼の歌声が本当に切なく美しく響いていて素晴らしかった。ラストシーンでも消えてしまったリュウを思って泣くカナに、歌ってあげてとシマちゃんに言われて藤井が弾き語りで歌うのだけど、「前を向いて歩いて行こう」と言うような歌詞の歌が「歌」が聴こえないはずのカナの心に直接響いたように思える歌声でした。私の解釈では最後までカナは歌が聴こえてないと思います。でもシマちゃんの「歌は心で聴くものだ」と言う言葉があるので、カナの心に藤井の歌は届いたと思いました。
でも歌って暗転して終わりだから、やっぱり藤井とカナの未来が見えづらいんですよね。あそこでもうちょっと何かあったらカナの未来に光がさしたことが明確に分かると思うんだけどなー。なんでも分かってしまったら面白くないって意見もあると思うけど、他が分かり易いくらい説明してあるのに、なんでここだけ分かりづらくしてあるんだろう?って疑問が残るストーリーでした。
藤井を薄いと感じるのはますだの演技のせいもあるかも知れません。藤井は草食系なのでちょっと気弱なキャラなのはわかるけど、可愛すぎるんですよね。以前にやった雨森のノボルくんがちょいちょい出てきてしまっていて、あれはああいうキモカワキャラだからいいのだけど、藤井はカナを救おうとするんだから後半に向かってもっと男らしさを出してもいいんじゃないかと思いました。
初日に見たときはもうその可愛さが邪魔ってくらいに思ったんだけど(ますだが可愛い!!と思うのは別の話しなのでとりあえずおいておくとして)4日後の11日に見たときはちょっと改善されてたし、少し演技にも余裕が出てきてました。それはますだだけじゃなく他の役者さんも同じだったけど。
今のますださんの一番の武器は歌だけどそこをもっともっと磨きつつ、この舞台が終わる頃には演技面でも成長が見られると期待しています。


なんてちょっと堅いことを書いておきながらアレなんですけど、萌えポイントもちょっと書いておきますww
生着替えがあると事前に分かっていたけど、まさかボクサーパンツ丸出しでベッドから出てくるとは予想もしてなかったので心で「ひいいいいいーーーー」となってました。声に出してしまってたお客さんが多かったけど、そこは堪えましょうねー。邪魔以外の何者でもないwww
初日は結構サービス満点だったけど(コラ)4日後には黒タンクを着てたり上手く隠されてたりしてなんだか残念。最初にあれにしたなら最後まであれでやりきって欲しかったなー。
着替えと言えば11日に着替えたときにシャツの襟が中に入ってしまっていたようで、シマちゃんがセリフを言いながらアドリブでその襟を直してくれてたんですよー!かわいー!!ww シマますコンビ何気にお気に入りですw
あとますだの手フェチと足フェチの人はもうたまらんと思いますよ。もう見放題!!ほんと綺麗な手足してますよね。毎回見ほれるわーw
歌に関しては上記の通り素晴らしかったです。なんだかまた音域が広がったように思いました。そんな高いキーをさらっと出せるようになったんだね!と感動して涙がちょろり。ますオタだから余計に感動するんだとは思うけど、きっとあれは今までますだの歌を聞いた事がなかった人にも伝わると思いたい!ギターはまぁなんとか弾いてたみたいだけど私の席からは背中を向けている状態なので弾いている手元は見れてません。でも音が凄く良い。いい音が出てる!そこはもう必死で頑張ったんだなーと。舞台が始まったからと言ってギターの練習は怠らず更にいいギターが弾けるように頑張ってね!!
そんなこんなで初日はかなり複雑な心境だったけど、11日が良かったので今後も更に期待できるはず!頑張れますだー!!